窯などが置かれる予定の貸し工房スペース=多治見市新町、多治見銀座商店街
完成した建物を紹介する花山和也さん=多治見市新町、多治見銀座商店街

 多治見市新町の多治見銀座商店街に陶芸家らが利用できる貸し工房とシェアハウス「at01」が完成した。仕掛け人で、陶磁器販売などを手掛ける花山和也さん(35)=同市=は「商店街の活性化につながる一歩となれば」と意気込んでいる。

 JR多治見駅から南東に歩いて約1キロ、昭和の面影を感じさせるアーケード商店街の中に黄色のタイルが映える建物が出現した。中に入ると、窯やろくろを置いて作陶などができるスペースが広がり、奥にはキッチンが設置された共有スペース、住居の離れがある。

 「シャッターを下ろした店ばかりなのが気になっていた」。花山さんは昨年4月ごろ、10年ほど空き物件になっていた木造2階建ての建物を借りられることになり、構想を練り始めた。地域活性化のためにシャッターを上げることを第一目標とし、プロジェクトの第1弾は陶芸家や移住者向けの施設とした。

 11月から貸し工房の利用を予定している陶芸家の故金(かるがね)あかりさん(26)=同市=は、来春に控える市陶磁器意匠研究所の卒業を前に集中できる制作環境を整えたいと利用を決めた。「大きなものを作るので広い場所が欲しかった。町外れにある工房が多いので、市内の中心にあるのはありがたい」と話す。

 貸し工房は商店街を通る人にも中の様子が伝わるようにと、半透明の扉に。改装費用の一部は市のセラミックバレー振興補助金を活用する。工房ではあるが、利用の仕方は限定せず、作品の展示販売などをしてもよいという。

 花山さんは「これで商店街の問題が全て解決できるわけではないけれど、ここで活動する人や住む人が生まれることで、何か変わるきっかけになるかもしれない」と期待を込める。