電話相談に応じる相談員

 NPO法人岐阜いのちの電話協会は毎夜、さまざまな困難を抱えている人からの電話相談に応じている。家庭や人間関係の悩みなど相談内容は幅広く、電話が鳴らない日はない。だが、長引く新型コロナウイルスの影響で相談員の数が減少、活動に制約が出ている。

 相談員は無償のボランティア。一時は100人近くいたが、コロナ禍で相談活動に参加するのを控えようとする人もあり、現在実質的に活動するのは35人ほど。昨年、電話相談中に密になるのを防ぐため電話を受ける部屋を増やすなど対策を講じたが、約2カ月間、活動休止を余儀なくされた。

 昨年受けた相談は3413件。一昨年と比べて4割減った。ただこれは、相談そのものが減少したのではなく、「電話を取れなかったということ」と協会はみている。

 相談してくる人は男女ともに40代、50代が多くを占める。内容は精神や人生に関する相談が多い。新型コロナの影響でこのまま働き続けられるのか不安、といった相談も寄せられる。

 ベテランの女性相談員は「深刻な相談内容は少なくなった印象があるが、孤独を感じている人がとても多い」と実情を明かす。

 相談員は元公務員や医療、福祉に関わる仕事をしていた人など経歴はそれぞれ。毎夜の電話相談は午後7~10時。相談員はシフトを組み、事務所で電話を受ける。以前は1日3人で活動に当たっていたが、今は多くて2人。1人の日もある。

 相談を終えて受話器を置くと、すぐに次の電話が鳴る。「5分空くことはない」と協会の役員は話す。

 厚生労働省、警察庁の統計によると、昨年の自殺者は全国で2万1081人。11年ぶりに増加した。

 岐阜協会の役員は「出られない電話の先に困っている人がいると思うと...」と言葉を詰まらせた。

 協会は相談員の養成に取り組んでいる。養成講座を修了し認定を受けた後、活動に参加する。協会事務局の連絡先は電話058(273)5387。