岐阜県は18日、来年度から5年間の次期県多文化共生推進基本方針案を明らかにした。新型コロナウイルス対応で明らかになった課題を踏まえ、外国人への情報伝達やコミュニケーションづくりに取り組むことを新たに盛り込む。パブリックコメントを経て、来年3月末に改定、公表される。県庁で開いた県外国人材活躍・多文化共生推進本部員会議で案を示した。

 新型コロナの感染拡大を巡っては、外国人クラスター(感染者集団)発生が相次いだ。県や市町村は、外国人が集まる教会などを通じて感染防止対策の徹底を試みたが、簡単には浸透しなかった。教会牧師といった影響の大きいキーパーソンとの関係構築や、外国人コミュニティーの把握、連携強化の必要性が見えてきた。

 会議では、外国人コミュニティーに役立つ情報を発信する団体「ディワ外国人コミュニティー」(美濃加茂市)でコーディネーターを務めるカミリング・マルジさんが「行政から届く情報が多すぎて、一番必要な情報が何か分からない」と意見を述べた。

 これらを踏まえ、次期基本方針は、四つの柱のうちの一つに「地域における円滑なコミュニケーションづくり」を掲げた。施策では、外国人コミュニティーのキーパーソンや、外国人雇用企業とのネットワークをつくるほか、行政窓口でのAI(人工知能)翻訳機の導入、多言語SNS(会員制交流サイト)やSNS広告による情報発信、日本語教育の充実などを盛り込んだ。

 古田肇知事は、新型コロナの感染拡大防止に加え、外国人が活躍できる環境づくりなどに向けた意欲を示した上で、「実態に即した内容になるよう詰めていきたい」と語った。