ドキュメンタリー映画「明日をへぐる」に込めた思いを語る今井友樹監督=岐阜市日ノ出町、岐阜シネックス

 岐阜県加茂郡東白川村出身の記録映画監督今井友樹さんによるドキュメンタリー映画「明日をへぐる」の上映会とトークショーが27日、岐阜市日ノ出町の岐阜シネックスで行われた。土佐和紙が作られている高知県の山里の人々の暮らしを記録した作品で「千年残るといわれる和紙を作っているからといって、そこに気負いがあるわけでなく、淡々と当たり前の暮らしがあった」と振り返った。

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 作品は、今年公開の今井さんの最新作。和紙の原料のコウゾに視点を当て、山里でコウゾを栽培する人々の暮らしを記録した。題名にもある「へぐる」は、高知県の方言で、特殊な包丁でコウゾの表皮部分を削ぎ取る作業。

 継承者がなく、やがて失われるかもといわれるへぐりの作業について「非効率だが、そこから千年残る和紙が作られる。へぐりを通し、その時間軸を見てみたかった」と製作に込めた思いを語った。初めて、自らカメラを手にして撮影も行った。人々は淡々とへぐりの作業を続け、そこに確かな生活力を感じたと言い、「記録映画は改めて、未来のためにあると思えた」と話した。

 今井さんは禁猟前の霞(かすみ)網猟の世界を追った映画「鳥の道を越えて」で、文化庁映画賞文化記録映画優秀賞などを受賞している。上映会、トークショーは岐阜新聞社と岐阜シネックスの共同企画「岐阜新聞映画部」の第57回CINEX映画塾として開催。キリンビール、大和証券協賛、キネマ旬報社、CCN協力。岐阜シネックスでの上映は12月3日まで。