「高品質なおいしいパンを届けたい」と話すファウズィ・アムマリさん(右)とシティ・ヌルジャナーさん=岐阜市尻毛、ハナマザパン

 インドネシア出身でイスラム教徒(ムスリム)のファウズィ・アムマリさん(54)とシティ・ヌルジャナーさん(47)夫妻が、アルコールや豚肉由来の材料を使わないパン店「ハナマザパン」を岐阜市尻毛にオープンして4年。添加物を使わず素材にこだわった優しい味わいが、ムスリムだけでなく、食べ物に気を使う子育て中の母親ら日本人にも好評だ。

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 看板商品はチキンカレーやグリーンカレーなど4種類あるカレーパン。鶏肉やソーセージなどは、イスラム法の認定を受けた「ハラル」と呼ばれる食材を海外から輸入している。ヒョウ柄の食パンや野菜を使った4色の食パンも、かわいい見た目と相まって人気という。

 順調に売り上げを伸ばし、2019年には同市美殿町に2号店を出したが、昨年6月、コロナ禍で閉じることに。月に100万円あった売り上げも半分以下にまで落ち込み、8人いた社員やアルバイトも「苦渋の決断」で辞めてもらった。

 打開策もなく、2人で頭を抱える中ひらめいたのが、出張販売だった。会員制交流サイト(SNS)で名古屋市や東京都内へ販売に行くことをPRすると、ハラル対応のおいしいパンを求める客の間で口コミで広がり、徐々に顧客が増えた。これまで都内には10回ほど出張。行列ができることもあるという。

 リクエストに応えて新作のパンを作ったり、オンラインでパン教室を開いたりもしている。それがまた新規顧客の開拓に役立った。気付けば日本全国にさまざまな年代や国籍のファンが広がっていた。「コロナ禍だからこそ、出会えたお客さんも多い」とヌルジャナーさん。アムマリさんも「いつかインドネシアに支店を出したい」と夢を描き、今日も夫婦で店を開ける。

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 県内で暮らす外国人は年々増えており、現在約6万人。言葉や文化の違いに戸惑いながらも、コロナ禍を力強く生きる外国人たちの奮闘を追っていく。