遺骨を納めた本堂で花を手向ける林清美さんと「宙の会」のメンバー=11日午後2時13分、安八郡神戸町更屋敷、浄誓寺

 岐阜市三田洞東の住宅で2000年、高田千代子さん=当時(77)=が殺害され、市内の金融機関で現金50万円が引き出された強盗殺人事件は今月、発生から21年となる。11日は、遺骨を納めた安八郡神戸町の寺で遺族や県警捜査員らが手を合わせた。県警は捜査を続けており、「どんなにささいな情報でも寄せてほしい」と訴える。 

 事件が発覚したのは2000年12月28日午前。高田さんが自宅で首を絞められ亡くなっているのが見つかった。その後の捜査で、2日前の26日午後4時45分ごろ、旧岐阜信用金庫鷺山支店の現金自動預払機(ATM)で男が高田さんのキャッシュカードを使い、50万円を引き出していたことが分かった。

 男の身長は約175センチで、白のつば付きヘルメットをかぶり、黒のウインドブレーカー、紺のジーパン、白の手袋を着用。手には茶色の手帳を持っていた。だが、防犯カメラには男の顔が正面からは映っておらず、首を絞めるのに使った電気コードにも指紋は残っていなかった。

 殺人事件被害者遺族の会「宙(そら)の会」(東京都)は毎年この時期、犯人の画像を載せたチラシを街頭で配る活動などを続けてきたが、今年は新型コロナウイルス感染対策のため2年連続で実施を見送った。高田さんの長女林清美さん(73)は「風化させたくない。なぜ母が狙われたのか」と無念さをにじませる。

 11日は、事件当時に検視官だった県警OBで宙の会特別賛助会員の小椋利藤さんや、県警捜査1課の捜査員ら7人が遺骨を納めた神戸町更屋敷の浄誓寺に集まり、仏前に花を手向けた。「遺族の無念を晴らしたい」と玉井隆弘課長補佐。事件解決を願う林さんの思いをあらためて受け止めた。

 県警は、これまでに延べ約8万8700人の捜査員を投入しているが、近年は寄せられる情報も少なくなっており、不審者の情報などは2016年を最後に途絶えているという。現在は映像の再解析や、鑑識資料の見直しなどに力を尽くしている。

 県警はホームページでATM映像を公開している。情報提供は岐阜北署、電話058(233)0110。