◆「頑張った姿、母に見せる」
スマホ見せてグルメ・買い物お得に 岐阜新聞デジタルクーポン「これが最後のチャンス。必ず甲子園に行ってみせる。そのために日本へ来たから」。10日に開幕する第103回全国高校野球選手権岐阜大会に懸ける強い思いを語ったのが、岐阜第一の3年で主将のツィマーマン健。日本の夏の風物詩"高校野球"に魅せられて海を渡ってきた青年は、「日本に来て良かった。もっともっと日本の野球を学びたい」と目を輝かせる。
ドイツ人の父と日本人の母を持つツィマーマンは兵庫県明石市で生まれた。サッカーの人気が高いドイツでは珍しく「熱狂的な阪神ファンだった」という父の影響で幼少期から何度も甲子園に通い、野球に興味を持った。
小学3年でドイツに移り住んだが、野球は続けていた。中学2年時に旅行で日本を訪れたことが大きな転機となった。大阪で行われた元プロ野球選手らが指導する1週間の野球合宿に参加。ドイツでは代表チームから声が掛かるほどだったが「日本のレベルは球のスピードも打球の速さもドイツとは比べものにならなかった」。合宿中に初めて夏の甲子園も観戦すると「技術の高さだけでなく、礼儀や相手を敬う日本野球の文化はすごいと思い、このまま残りたい」と決意。すぐさま可児市内の叔母の家に引っ越し、高校は「自立したかったから」とあえて寮生活の岐阜第一を選んだ。
入学当初は慣れない寮生活に戸惑ったこともあったが、田所孝二監督は「誰よりも真面目で、一番高校野球を理解しようとしている」と目を細める。現チーム発足時は真摯(しんし)に野球へ打ち込む姿勢が評価され副主将に就任すると、今夏は主将として最後の夏へと挑むこととなった。
中学2年の途中で日本へ来てから家族とは一度も会っていなかったが、18歳の誕生日を迎えた先月20日には父と約3年半ぶりに再会。ドイツでの18歳は日本の20歳と同じ大人になったことを意味するといい「一緒にお祝いしてくれてうれしかった。余計、夏の大会はいい結果を残したいと思った」とツィマーマン。
母も開幕に合わせて来日する。日本でプレーする姿を家族に見せることは初めてで「ここまで頑張ってきた姿をしっかり見せたい。自分よりうまい選手はたくさんいるが、チャンスが回ってきたら結果を残したい」と一層力を込める。
夢は超満員の甲子園の打席に立つこと。だが今は、主将としてチームをけん引する覚悟を示すように締めくくった。「この仲間と一緒に甲子園へ行きたい思いの方が強い。そのためにできることは何でもする」。夢を追って海を渡ってきたツィマーマンの最後の夏がもうすぐ始まる。










