岐阜県内に適用されたまん延防止等重点措置が解除された後も、県が岐阜市や大垣市など6市で継続していた飲食店に対する営業時間の短縮要請が4日いっぱいで終わった。たびたびの時短営業要請は飲食店に限らず、取引先にも甚大な影響を及ぼしている。売り上げが半分以下になった岐阜市内の酒類業務用卸売業者は「飲食店はコロナ禍前には回復しないだろう」と受け止め、次の一手を模索している。
「何をやっているんだろう」-。藤澤酒店(岐阜市)の藤澤容一郎社長(43)はアルコール飲料に使うシロップを廃棄したときの心境を振り返った。市内の居酒屋や日本料理店、ホテルを中心に酒やソフトドリンク、調味料を販売。注文を見越して商品を仕入れるが、時短営業や酒類提供停止の要請でキャンセルが発生。これまでに50万円分ほどを廃棄したという。
断続的な時短営業の要請に苦境は続き、年間約5億円の売り上げがコロナ禍で半分以下に落ち込んだ。5月のまん延防止措置で、飲食店が県から酒類を提供しないように求められたことに「まさか」と耳を疑った。まん延防止措置の適用期間が当初の5月末から6月20日まで延長されたときは途方に暮れたという。藤澤社長は「コロナがここまで続くと思ってもいなかった」と語る。
一方で救いもあった。苦境を聞きつけた知人が足しになればと、売れ残った日本酒を購入してくれた。商品の廃棄を知った石材業を営む末守充さん(47)=揖斐郡大野町=は、同町を拠点に小中学生の学習支援や子ども食堂などを開く「さなぎの杜(もり)」(南谷真弓代表理事)にソフトドリンクを贈ることで両者を支援しようと、1万円分を購入した。「同じ経営者として、在庫が売れずに残るつらさは分かる。人ごとではなく、今後も続けたい」と末守さん。藤澤社長は「励みになった」と感謝を伝える。
時短要請の解除で飲食店が通常営業に戻れたことを冷静に受け止める。「今後の生活不安もあって、(飲酒客の)財布のひもは固くなっていると思う」と指摘。「飲料や調味料以外の商品の取り扱いや販路の拡大を図りたい」と語る。










