新型コロナウイルス感染症の法的な位置付けが「5類」に移行し、飲食、観光業界を中心に経済活性化が期待される新たな日常が8日始まった。「有事」から「平時」への転換に伴う経済効果が予測される一方、人手不足対策やマスク着脱を巡る課題も浮き彫りに。医療・高齢者施設は、なお慎重な対策を取る。
感染対策は個人や事業者の判断に委ねられる。飲食店ではこの日、飛沫(ひまつ)対策のアクリル板を撤去する動きがみられたほか、笑顔を見せて接客したいとマスク着用をやめた宿泊施設もあった。
岐阜市橋本町のJR岐阜駅北口の歩行者デッキでは8日午前、通勤や通学の人波の大半はマスク姿で、外している人はまばらだった。一方、岐阜県内の飲食店や企業でも5類移行を機に対策を緩める所は多く、社会経済活動の本格回復に向けた期待が広がった。
観光庁によると、1~3月の訪日客は479万人と2019年の約60%まで回復し、国内宿泊者数も19年並みの水準で推移。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは5類移行と訪日客拡大による経済効果を約4兆2千億円と試算する。一方で、企業の人手不足は深刻だ。日銀の3月の企業短期経済観測調査(短観)では、雇用が「過剰」と回答した企業の割合から「不足」とした割合を差し引いた指数が、大企業の非製造業でマイナス33と約31年ぶりの低い水準となっている。
マスク着用の要否を巡る判断も分かれる。個人判断となった3月13日以降も、業界のガイドライン(指針)に基づき傘下事業者に着用継続を求めた57団体のうち26団体は、業界としてルールを設けない方針に転換。一方、医療関係など19団体は着用継続を求めていく。
医療の仕組みも変化する。厚生労働省は全医療機関などに感染者数の報告を求めていたが、全国約5千機関による定点把握に切り替えた。発熱外来主体の患者受け入れから、幅広い医療機関での対応を目指す。
23年度のワクチン接種が全国で始まるなど、高齢者の感染対策は引き続き重視される。8日は各務原市などで高齢者を対象としたオミクロン株対応ワクチンの接種が始まった。県内の高齢者施設では、対策を段階的に緩めている施設がある一方、「しばらく状況を見る」として継続する所もある。








