岐阜県では、養豚農家が豚のえさや飼育方法にこだわり、さまざまな独自の銘柄豚肉を生産している。

 おいしい銘柄豚肉があることを知ってもらい、県内に幅広く周知するための一環として、県内の養豚農家や県産ポークを取り扱う関係者などを紹介していく。

VOL.05 ぎふおウチごはん協会

岐阜市大福町8-22-1
☎058-233-5551(代)

地域の生産者とつながり、健康で笑顔になれる豚肉料理を考案していきたい

健康に良く調理も簡単な豚肉料理を家でも

 岐阜の食材を発掘し、家庭で簡単に作れる健康メニューの普及を目指す一般社団法人「ぎふおウチごはん協会」は、2020年9月に設立。県内のママ料理家とクリエイターらで立ち上げ、県産食材の魅力を岐阜ならではの家庭向けレシピとともに発信している。岐阜の食材を使った料理レシピを、ホームページやSNS、動画投稿サイトなどでも紹介。食と健康に関するセミナーを開き、オンライン配信も行っている。

 同法人の代表理事である後藤香陽子さんは県産の豚肉を使った料理も手掛けており、「豚肉は節約や健康など良いところの多い万能な食材」と太鼓判を押す。調理の際のワンポイントアドバイスとして、ヨーグルトやマヨネーズ、はちみつ、牛乳、塩麹など、身近な材料に漬けることを紹介。タンパク質が分解されることで肉が柔らかくなると言う。そんな豚肉を「焼いても煮てもおいしく食べられてレパートリーが多い上に簡単に調理できる」とお勧めする。

 後藤さんの作るいちおし豚肉料理が「豚こまのミルフィーユ」。「豚こま肉を片栗粉で握ってハンバーグのようにするだけなので簡単に作れるし、ケチャップや大根おろしなどさまざまな味付けでおいしく食べられる」と言う。

疲労回復や美容にも豚肉は魅力満載

 豚肉の特長を、後藤さんは「繊維が細かくて柔らかく、腸の働きも良くなる。弾力性があってしっかりかみ切れるので介護食にも最適」と語る。また、栄養成分については「豚肉はビタミンB1が食品の中でもトップクラス。炭水化物を分解してエネルギーに変え、筋肉の疲労を回復させてくれると言われており、スポーツをしている子どもや、日々の仕事で疲れがたまっている大人にも最適。また、豚肉の成分には乾燥肌に潤いを与える効果なども期待できる」と言う。

これからも県産食材を使った簡単で健康的な料理レシピを考案

 「地域の生産者とつながり、健康で笑顔になれる料理を考案していきたい」と実際に行動に移し、昨年、県内の養豚場を訪れた。おかげで「良質な豚を育てたいという生産者の思いが伝わり、こちらも豚肉を使ったおいしい料理を作って提供したい」との思いを強めた。

 豚肉のほかにも、岐阜県が誇る名産品の富有柿を使った天ぷらやなます、炊き込みごはんなども作っており、県産食材を使った料理レシピを開発している。「料理のレシピに困るお母さんたちを助けたい。毎日の食事作りは本当に大変なことだから、簡単に作れるようにしたい。その食材として、自分好みの味付けをしやすい豚肉を使ってほしい」と後藤さんは呼び掛ける。これからも、県産食材を含めさまざまな食材を使うことはもちろん、簡単に作れて健康的な料理を考案していく。