岐阜新聞デジタルが、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部教授の秋元祥治さん(岐阜市出身)とお届けするトーク番組「やっぱ岐阜やて!」。前回に続き、岐阜県の江崎禎英知事に単独インタビュー。後編の今回のテーマはずばり少子化と人口減です。どうしたらいいんやろ、深刻なテーマです。しかし、江崎知事は若い女性の7割が「子どもは2人から3人以上ほしい」とアンケートに答えていることを示します。そして、「そもそも働くということ自体を変えてしまいたい」。おお、どういうことですか? 「将来的には勤務時間は9時3時でいいんじゃないか」。打ち合わせなし、ぶっつけ本番、江崎知事の本音に迫りました。たのむで聞いたって!(岐阜新聞デジタル独自記事です)
えさき・よしひで 加納高、東京大卒。1989年に通商産業省(現経済産業省)に入り、ヘルスケア産業課長、商務・サービスグループ政策統括調整官、内閣府大臣官房審議官(科学技術・イノベーション担当)などを歴任した。2008~12年には岐阜県へ出向し、商工労働部長などを務めた。2度目の挑戦となった25年1月の県知事選で初当選を果たした。山県市出身。60歳。
あきもと・しょうじ 1979年生まれ、岐阜市出身。早稲田大学政治経済学部中退。2001年にNPO法人G―net(岐阜市)を設立、地域活性化、中小企業支援に取り組む。2013年に「岡崎ビジネスサポートセンター」(オカビズ)センター長就任(現・チーフコーディネーター)、中小企業支援、売り上げアップをサポートしている。著作に「20代に伝えたい50のこと」(ダイヤモンド社)ほか。
カバリーニョ馬田 1975年生まれ、岐阜市出身。99年に岐阜新聞社入社。デジタル統括局コンテンツ部長。「カバリーニョ」はポルトガル語で「子馬ちゃん」の意味。
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秋元 ではもう一つ、江崎さん聞かせてください。いろんな取り組みが始まっている。あるいはまだまだ着任5カ月、骨格予算からの新年度ですから、次年度以降により濃密な江崎カラーが出てくること、かと思いますが、一方で、やっぱり岐阜の将来ワクワクできるかというと、人口めっちゃ減るじゃないですか。
江崎知事(以下、敬称略) ええ。
秋元 現在もう200万人を切った。2050年には140万人を切ろうという勢い。高齢化率は30%から40%に上がっていく。こういう撤退戦とも言えるような厳しい状況。一方でみんなはあれがほしい、これがほしい、もっと元気にしてほしい、という声も寄せられるであろう。
江崎 ありますね。
秋元 この中で、どう優先順位をつけ、どうトリアージをするのか。このあたりの考え、価値観、判断軸を教えていただけませんか。
江崎 人口減少は岐阜に限らず日本中の課題だと言われていますが、これは私は間違っていると思っています。なんでかというと、皆さん人口減少を前提に物事を考え始めるくせがついていますが、昨年岐阜県で行ったアンケート調査で、今この岐阜県に住んでいる若い方々にアンケートとっている、特に女性の方に。
子どもはほしいですか。ほしいとすれば何人ほしいですか。

実に10代から20代の71%、30代以上の72%が「子どもは2人から3人以上ほしい」と答えているんですよ。もしその方々が希望通り産んでくれたら、人口そう簡単に減りません。
それがなぜ減っているのか、というところまで踏み込まずに減ってる減ってる、すぐ出生率の話をしてしまうことにおそらく大きな問題があるかな、と思っています。
なんでそんなことになるか、というと答えは簡単で、...