10日は「時の記念日」。日本で初めて時計により時間を知らせたとされる日を記念しているが、時を知らせるものは時計だけではない。岐阜市の中心部で1時間に1度、鐘の音が響く。一体どこで、誰が鳴らしているのだろう。取材してみた。
「ゴーン、ゴーン」。岐阜市役所周辺にいると、鐘の音は金華山の方から聞こえてくる。市によると、この鐘は「時の鐘」と呼ばれるもので、権現山にある。標高317メートルで金華山の南西に位置。現在は市が管理している。
現地を訪ねた。登山道を歩くこと約10分。誰が突くのか待っていると、突然機械音とともに撞木(しゅもく)が動き出し、鐘を突いた。自動鐘突き機だ。2000年に地元企業の岡本(岐阜市畷町)とナベヤ(同市若杉町)が寄贈した。鐘は、機械が突いていた。
時の鐘は、高さ1・1メートル、重さ543キロで、1891年の濃尾地震の犠牲者慰霊のために作られた。午前6時から午後10時まで、時の数の鐘が突かれている。毎年12月31日の除夜の鐘だけは人の手で突く。
そもそも鐘突きは、1896年に始まった。自動鐘突き機が寄贈されるまで100年以上、人の手で突かれていたとみられており、時の鐘を突く「堂主」は歴代5人。時の鐘に隣接する「時鐘楼」に住み込み、一家3代にわたり計51年間鐘突きをした人たちや、30年以上担った人もいる。1970年6月9日付の岐阜日日新聞(現在の岐阜新聞)によると、当時の堂主は病気で通院していても、鐘を突く時間になると山を駆け登ったという。
130年近く、人の手と機械によって岐阜市民に時を告げてきた時の鐘。市の担当者は「時を知らせることで市民の生活の一部になっている。ぜひ鐘の音に耳を澄ませて風情を感じてほしい」と話した。












