完成品に水漏れなどの不具合がないか、入念に検品する作業員=山県市東深瀬、水生活製作所本社・高富工場
水流を切り替えるハンドル部分のプラスチック部品を作る全自動の射出成形機=山県市佐野、水生活製作所樹脂工場
気泡を含む霧状の水流が売りのミストップ・リッチシャワー(下)。節湯など多機能なシャワーヘッドの需要は高い

◆水生活製作所(岐阜県山県市)

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 コロナ禍で巣ごもり需要が増える中、入浴関連商品の市場が活況を呈している。水栓や浄水器を製造、販売する水生活製作所(岐阜県山県市東深瀬、早川徹社長)のシャワーヘッド「ミストップ・リッチシャワー」も注目を集める商品の一つだ。直径0・1ミリ以下の気泡を含む霧状の水流が特徴で、肌や髪に潤いを与えてくれると評判を呼び、現在では同社のシャワーヘッド出荷数の約7割を占める人気ぶり。ヒット商品の製造工程からは、部品のプラスチック加工に必要な金型の設計、製造から組み立てまで一貫生産体制に象徴されるように商品へのこだわりが見て取れる。

 工程の起点は、本社・高富工場から車で15分ほど北の美山地区にある樹脂工場。プラスチック射出成形機8台が整然と並んでいた。成形機には、プラスチック部品のサイズによって大きさの違う金型がセットされている。粒状の原材料ペレットが熱で溶かされ、それが金型に流し込まれて部品が完成する。全自動の機械で人の手が介在するのは、部品の検品など限られた場面だけだ。

 工場奥のスペースには射出成形用金型の設計や製造を担う職人が集まり、試作品の金型を製造していた。開発2課の太田美穂課長(40)は「機械でも研磨するが、最後の金型の合わせは細かい手作業になる。自動化と職人技の融合が、良い製品づくりには欠かせない」と強調する。

 完成した部品は本社・高富工場に運ばれ、最大約30人が作業する組み立て工程に入る。作業員はメッキ加工をしたプラスチック製カバーを手にすると、水流をワンタッチで止めるボタンや、内部にある水流モードの切り替えハンドルなど大小さまざまな部品をビスで取り付けた。一つのシャワーヘッドで使う部品は約30点。見学時には1人の作業員が全てを取り付け、1本を約3分間で完成させた。複数人で分業して組み立てることもあるため、一人の作業員が複数の作業に対応できる多能工化を導入している。最終工程の検品作業では、実際に水を流し、霧状と通常の水流のモード切り替えができるかなどを確認。不良品を出さないように全品検査を徹底している。

 こだわりが詰まったシャワーヘッドは、相手先ブランドによる生産(OEM)も含め、常時8種類ほどを生産している。節湯機能など多機能商品が次々と発売され、競争が激しい市場だが、太田課長は「水栓バルブ発祥の地・山県市に立地する企業として、ものづくりへのこだわりが詰まった高い品質の製品を、これからも消費者に届けたい」と思いを語った。

 【工場概要】1954年に早川メッキ工業所として創業。63年に早川バルブ製作所、2012年に水生活製作所へと改称した。14年に完成した樹脂工場(山県市佐野)は、鋳造やメッキなどの工場群の中に立地しており、延べ床面積1755平方メートル。組み立て作業を行う本社・高富工場(同市東深瀬)は2003年に供用を開始し、延べ床面積は2008平方メートルを誇る。従業員数は約160人。