創部4年目を迎えた松波総合病院(岐阜県笠松町田代)柔道部が、躍進を見せている。6月の全日本実業柔道団体対抗大会男子3部で準優勝し、2部昇格が決まった。5月の県体重別選手権でも3階級を制覇。部員たちは、選手と医療人の〝二刀流〟に挑みつつ、柔道を通した社会貢献活動にも力を注ぐ。
かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」選手は男子8人、女子1人。夕方、業務を終えると敷地内の「文武両道館 柔道場」に集まってくる。多くが事務系の職員として働いているが、中には看護師や介護福祉士といった専門職もいる。
部員の一人、尾崎良慶さん(24)は高度治療室(HCU)所属の看護師。岐阜市出身で、幼少期から柔道に打ち込み、高校は県外の強豪校に進んだ。医療系大学への進学を機に競技生活にピリオドを打った。
2年前、看護師として同病院に就職が決まると、柔道部の存在を知り入部を決意。「まさか働きながら柔道ができるとは思わなかった。仕事と両立は大変だが、これまで辞めようと思ったことはない」と語る。
業務は日勤と夜勤の交代制で、夜までの「ロング日勤」もある。全体練習に参加できるのは日勤の日に限られる。「命を預かる職なので、業務の前(夜勤前)に体を追い込むことはしない」。ロング日勤後にウエートトレーニングなど一人でできる強化策を模索し、6月の団体大会ではメンバー入りを果たした。
部の設立理念は、競技を続けながら地域の医療現場で活躍できる人材育成。自らも有段者である総監督の松波英寿同病院理事長は「心技体を鍛えること、常に向上する気持ちを持つことは、医療従事者としても大切な要素」と語る。選手には、院内給食に携わる管理栄養士がカロリーを計算し、一人一人の減量などに応じた食事を提供。病院のノウハウを生かしたサポート態勢も整えた。
団体大会では、初出場した昨年は初戦敗退だったが今年は快進撃が続いた。田中大地主将(24)は「小柄な選手ばかりだが、一人一人が立ち向かう心を忘れず、チームワークで勝ち上がった」と手応えを語る。全体練習は週2回で夕方からと、時間が限られているからこそ「個々にその日の課題を明確に持って臨んでいる」と練習の質を意識している。
一方、柔道界発展や地域貢献も活動理念の一つ。先月には、文武両道館で小さな子ども向けの催し「ドウジョウあそび」を初開催。追いかけっこやバランス運動などで柔道場を転げ回り、部員らが上手な転び方など「受け身」も伝えた。企画した松井陽子監督は「体を動かす楽しさを知ってもらい、そこから柔道人口の拡大につながれば」と願う。今後も定期的に行っていく予定だ。
松波理事長は「選手の活躍は病気と向き合う患者を鼓舞することにもつながる。いずれはオリンピック選手を出したい」と話している。










