【岐阜第一7―0市岐阜商 秋季岐阜県大会準々決勝】

 今夏の岐阜大会準優勝の市岐阜商に八回コールドで圧勝した岐阜第一。だが15四死球と4失策につけこんだ得点。今大会唯一のチーム防御率ゼロの投手力を誇りながら序盤から得点を重ねられなかったため「これまで早いカウントから手を出し、打ち上げていた。きょうはじっくり見る」との田所孝二監督の戦術。見事に奏功した7得点だった。

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岐阜第一×市岐阜商=3回表岐阜第一2死満塁、2点二塁打を放つ代打藤川=大垣北公園

 4回戦の東濃実戦は2得点で辛勝。2、3回戦もコールドだったが、序盤は接戦で、大量点が入ったのは終盤。投手の負担を考えても安定した得点力が23年ぶり選抜出場への課題だった。ところが、4番のホームランバッター永安弘和が、東濃実戦で本塁タッチアウトの際に接触プレーで、左手がはれあがり、捕球困難なため欠場。さらには投げない時は外野に入る3番打者のエース水野匠登は連投による疲労が予想されたため、ベンチスタートとした。そこで選択したのが「待て」のサインだった。

岐阜第一×市岐阜商=3回表岐阜第一2死満塁、藤川の二塁打で4点目のホームを踏む二走兼松=大垣北公園

 市岐阜商先発足立義虎の制球難もあり、初回から3四死球で満塁の好機。得点には至らなかったが、三回に結実。敵失もあり、連続押し出しで2点を先取。ここで好投していた9番の先発鑓水佑哉の打席で田所監督が切った代打策がまた的中する。指名されたのは祖父が社会人野球の4番打者で活躍したDNAを持つ1年藤川稔大。「インコース低めのカーブにうまく反応できた」と唯一の適時打となる左中間2点二塁打。「日頃の祖父のアドバイスで打撃には自信がある。次も貢献したい」と満面の笑みの藤川。その後も打線は押し出し、犠飛、敵失と加点し続けた。

 次は東海出場を懸けた準決勝。エース水野が肉離れで八回で降板したのが気がかりだが、「永安とともに1週間で万全にさせたい」と田所監督。2年連続秋の県覇者中京に挑む。