二十歳になった再訪者に洞窟低温貯蔵酒を手渡す中萩久夫社長(右)=高山市丹生川町日面、飛騨大鍾乳洞
鍾乳洞内に設けられた酒類洞窟低温蔵庫=同
児童、生徒に手渡している「二十歳になったらまたおいで」の証

 岐阜県高山市丹生川町日面の飛騨大鍾乳洞が、修学旅行生に配布してきた「二十歳になったらまたおいで」の証(しょう)を受け取った生徒らが二十歳になり、相次いで鍾乳洞を再訪している。同証は入館が無料になり、「洞窟低温貯蔵酒」がプレゼントされる催し。考案した中萩久夫社長は「大切に証を保管してくれて、本当に来てくれたことに感激している」と話し、記念の貯蔵酒を手渡している。

 中萩社長は一定の温度、湿度が保たれる鍾乳洞内で貯蔵することで味がまろやかになる「洞窟低温貯蔵酒」を考案し、2013年12月に鍾乳洞内に低温貯蔵庫を設置。日本酒、麦焼酎、赤ワインの3種で、これまでに1万6612本を貯蔵し、1万850本を販売。観光客らから好評を博している。

 同証は同時に開始したが、昨年から、証を受け取った中学生が成人して、友人や恋人と次々に訪れている。再訪者は西可児中学校(可児市)と真正中学校(本巣市)の卒業生で、27人を数える。

 再訪者が増えている背景には若者向け施設整備の奏功もある。同鍾乳洞は「愛深(あいしん)スポット」として、鍾乳洞トンネルを幻想的な7色の発光ダイオード(LED)ライトで演出、ハート形にくりぬいたモニュメントや誓いの鐘の設置など、ロマンチックな環境づくりに力を入れており、昨年はNPO法人地域活性化支援センターの「第2回恋人の聖地 地域活性化大賞」の審査員賞も受賞した。

 中萩社長は「証の再訪者が鍾乳洞の魅力を友人に伝え、一緒に訪れた恋人と家族になって、子どもとまた訪れるなど、どんどん輪が広がってくれればうれしい」と語る。

 貯蔵酒は指定した年の結婚記念日や子どもが20歳になる誕生日などに届く記念日配送も行っており、現在60人分の74本を貯蔵している。中萩社長は長いスパンを見据えたさまざまな誘客、経営戦略に手応えを実感している。