「『信長公のおもてなし』が息づく戦国城下町・岐阜」をPRするのぼり旗。日本遺産の認定継続となった=14日午前、岐阜市橋本町、JR岐阜駅前

 文化庁は14日、地域の有形・無形の文化財を組み合わせて観光誘客を目指す「日本遺産」について、昨年7月に「再審査」とした「『信長公のおもてなし』が息づく戦国城下町・岐阜」など4件を「認定継続」にしたと発表した。4件には条件を付け、3年後の2024年度に、候補地域3件を含めた計7件の取り組み計画について実行できたかを比較評価し、下位となった場合は入れ替えもあるとした。

 日本遺産は地域活性化と観光振興を目的に15年度から始まった事業で、認定は現在104件。文化庁は総数を100件程度に維持した上で、活動が不十分な遺産の取り消しと新たな候補の追加認定を進める方針を示している。

 昨年7月の評価対象は、15年度に第1弾として認定された全18件で、14件を認定継続、4件は再審査としていた。「『信長公のおもてなし』が息づく戦国城下町・岐阜」は、取り組み計画に対する評価が3段階で最も低かったことが再審査となった原因とみられる。岐阜市などでつくる協議会は、昨年10月に現地調査で来岐した審査委員の意見を踏まえて、信長のおもてなしを追体験できる内容に計画を全面的に書き直した。昨年11月に再提出し、認定の基準を満たした。

 計画は、金華山の山麓にある信長居館跡の発掘調査で見つかっている庭園の整備や、岐阜城で行っている発掘調査の様子の公開、長良川鵜飼の観覧船に今年から導入する木造の高級船を生かして、信長のおもてなしを追体験できるようにした。また市や観光、宿泊施設の団体でワーキンググループを立ち上げて戦略的に観光振興を図る。

 認定継続を受けて、柴橋正直市長は「日本遺産の魅力を高め、本物志向の観光まちづくりにつなげていきたい」とコメントした。

 ワーキンググループの一員に内定している岐阜長良川温泉旅館協同組合。加盟する老舗旅館「十八楼」(同市湊町)の女将(おかみ)、伊藤知子さん(47)は「今後は市と協力しながら観光客目線で、日本遺産の活用を進めていきたい」と強調した。