田中亮明の勝利を喜ぶ父の斉さん(右から3人目)と恒成選手(同2人目)、藤垣伊織後援会長(右)=3日午前、多治見市役所(畑中ボクシングジム提供)
判定勝ちが決まり、喜びを爆発させる中京高校の関係者=3日午前、瑞浪市土岐町、中京高校

◆恒成選手「兄のボクシング最高」

 東京五輪ボクシング男子フライ級の田中亮明(りょうめい)(27)が3日、準々決勝でコロンビア選手を破って銅メダル以上を確定させた。地元の多治見市では、市役所に父の斉(ひとし)さん(54)や元世界3階級王者で弟の恒成選手(26)、地元後援会の関係者らが集まって声援を送り、「亮明やったぞ、最高だ」と勝利に沸いた。

 後援会オリジナルの応援Tシャツを着てテレビ中継を見守った関係者ら。試合が序盤、相手有利の展開で進むと、「亮明負けるな、踏ん張れ」との声が飛んだ。手を組んで祈るように兄の戦いを見守った恒成選手は「相手の足が止まってきた。大丈夫。いけるよ、このラウンド」と冷静に声援を送り、斉さんは「ストロングパンチや。気合入れろ」と檄(げき)を飛ばした。

 試合は一進一退の攻防だったが、最終3回に田中が猛攻し、終了。判定で審判の手が田中に上がって勝利が決まると、関係者は席から跳び上がって喜び、歓喜の渦に包まれた。

 恒成選手は「負けていた1回から盛り返す地力は本当にすごい。兄のボクシングの素晴らしさを見られた」と振り返り、斉さんは「どれほどピンチになっても自分を信じ抜く力があった。亮明を誇りに思う」とたたえた。後援会の藤垣伊織会長(50)は「このままの勢いで金メダルを取ってほしい」と期待を込めた。

 母校で勤め先の中京高校(瑞浪市土岐町)でも、田中が監督を務めるボクシング部の生徒や教職員らがインターネットの中継放送で観戦し、「田中先生」の勇姿に拍手を送った。

 「死闘と呼ぶにふさわしい試合。全身全霊のストロングスタイルで、正々堂々の真っ向勝負だった」。元東洋太平洋スーパーフライ級王者で、田中がボクシング部に所属していた時の監督でもある石原英康さん(45)は、感無量の様子。ボクシング部主将で田中から指導を受ける宮下光さん(18)は「打ち合いがすごくて、むちゃくちゃ鳥肌が立った。メダルを取ると言ったのを有言実行している。かっこいい」と興奮気味に話した。

 同校社会科の教諭で、田中が教育実習の際に指導教官を務めた軟式野球部の平中亮太監督(40)は「あと二つ勝って、金メダルを取ってこい」と同僚にエールを贈った。