海中で「磯焼け」によって消失した藻場=静岡県下田市付近(一般社団法人タラ オセアン ジャパン提供)

  海藻類など海洋生物の働きで海に吸収、貯蓄される炭素「ブルーカーボン」が、地球温暖化の要因となっている二酸化炭素(CO2)の吸収源として注目される一方、環境汚染で減少している。その生態系の実態を把握するため、一般社団法人「タラ オセアン ジャパン」(東京)は、日本の沿岸海域で大規模な調査を行うための資金をクラウドファンディング(CF)で募っている。同法人理事で東京芸術大学長の日比野克彦さん(岐阜市出身)は「ブルーカーボンは目に見えないが地球の生き物を循環させる存在。今回の調査で生態系の実態を視覚化することが、次の行動につながる」と意義を話す。

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 ブルーカーボンは、地球温暖化対策としての役割が期待されているが、仕組みが解明されていない。一方で海洋汚染などの影響で日本沿岸では藻場が消える「磯焼け」が頻発し、生態系の保護が急がれている。同法人、全国の国立大の臨海実験所などで構成するマリンバイオ共同推進機構は今春から、日本全国の沿岸で大規模なブルーカーボン生態系の調査、研究を始める準備を進めている。

 同法人は、フランスのアパレルブランド「アニエスベー」創設者、アニエス・トゥルブレ氏らが立ち上げた財団の日本支部。科学とアート、教育を融合させて海を守る重要性を発信している。日比野さんはアーティストの立場で海洋調査に参加し、海洋汚染の現実をアート作品に転換して訴える活動などをしてきた。

 日比野さんは「科学もアートも目に見えないもの、分からないものを知り、社会に伝えようとしている。ブルーカーボンは見えない存在だからこそ、この調査で実態を可視化する意味は大きい」と支援を求める。
 調査船にアーティストが乗船し、アート活動も同時進行で行う。同大もプロジェクトに協力し、アーティストの派遣、展覧会などを行う。

 目標金額は1000万円。CFサイト「レディーフォー」(http://readyfor.jp/projects/TaraOceanJapan2023)で、16日午後11時まで募る。金融口座振り込みも対応。問い合わせは同法人事務局、電話03(4355)0125。