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 2026年度の全線開通に向けて工事が進む東海環状自動車道。岐阜市内にはこれまで高速道路のインターチェンジ(IC)がなかったものの、20年3月に市の北東部に岐阜三輪スマートICができ、交通の利便性が向上しました。そして24年度中には市の北西部に岐阜IC(仮称)の開通が予定されています。また、国道21号については、岐阜市内立体の工事が始まり、すでに高架部分外側の準備工事が始まるなど、新たな道路の建設・完成により、未来に向けた新しい動きが加速しています。今回は岐阜市の柴橋正直市長と、岐阜商工会議所の村瀬幸雄会頭に、東海環状自動車道全線開通への期待を伺いました。(聞き手は国土交通省中部地方整備局岐阜国道事務所長 松實崇博)

 

能登半島地震で幹線道路の重要性を再認識

松實 まずは令和6年能登半島地震の関係からお話ししていきたいと思います。報道であった通り、幹線道路脇の土砂崩れや路面の陥没で道が寸断され、救助隊や支援物資などが入れないなどの課題が浮き彫りになりました。災害時の幹線道路の役割についてどのようにお考えですか。

柴橋 能登半島地震の際は、すぐに被災地に緊急消防援助隊として岐阜市消防本部の職員を派遣し、その後もDMAT(災害派遣医療チーム)やモバイルファーマシー(災害対策医薬品供給車両)、給水車なども要請に応じて送りました。その中で印象に残ったことは、緊急消防援助隊が東海北陸自動車道を通って被災地に向かう姿をみた県民から「頼もしかった」というお声を数多くいただいたことです。

 私は国会議員時代から、東海環状自動車道の整備に力を入れてきましたが、この整備の意味の一つには、太平洋側の南海トラフ巨大地震への備えという面があります。今回は日本海側での震災でしたが、災害を考える上でも、東海環状自動車道の一日でも早い全線開通に期待しています。

村瀬 本当に大きな災害が起こってしまいました。そして災害後の救出活動などでも困難を極めましたが、その要因の一つに道路が通れなくなったことが挙げられています。東海北陸自動車道と東海環状自動車道が完成しネットワークが多重化するということは、防災面にとって大きなこと。東名高速や名神高速、新東名高速等ともつながり、バイパス的な機能も大きいです。耐久度の高い道路網ができるということで防災面、そして産業、観光面でも大事なインフラになっていくことを期待しています。

岐阜三輪スマートIC、開通効果は絶大

岐阜三輪スマートIC(令和5年2月撮影)

松實 2026年度の全線開通に向けて工事が進む東海環状自動車道ですが、岐阜三輪スマートICはすでに開通しています。そのストック効果などをお聞かせいただけますか。

柴橋 効果は大きく三つあります。一つ目は、すぐ近くの岐阜ファミリーパークへの効果です。開通後、県外から多くの方にご来園いただいております。そしてさらなる魅力向上のために総合スポーツ公園化を進めています。完成後は、そこで開かれるさまざまなスポーツ大会の参加者やスタッフの皆さまに東海環状自動車道を通って来ていただくことになるなど、大規模な大会を開催しやすくなることに期待しています。

 二つ目は防災の面です。岐阜ファミリーパークは、ICからすぐの場所にある広大な場所という強みを生かし、災害時には支援に関わる車両や物資が集まる拠点として大きな意味を果たすことになるでしょう。国にも支援いただいて、早期に整備を進めて災害に強い地域づくりを目指していきます。

 三つ目は産業面で、農地が多いこの地域を農業6次産業化エリアとして、農業関係の企業に進出いただき、地域で雇用を生み出していただけるよう取り組んでいきたい。既に手を挙げてくださっている企業もありますので、引き続き岐阜市も間に入って地権者と調整していきます。

村瀬 私からは二つあります。一つ目は産業面で、岐阜三輪スマートICができるまでは岐阜市内には高速道路のICがなく、岐阜各務原ICや岐阜羽島ICを使っていました。岐阜IC(仮称)も含め、二つのICができることで全く違う方向からも岐阜市にアクセスできるようになり、時間短縮の効果は大きいです。すでに岐阜三輪スマートICの近くでは、民間ベースで食品や農業関係の産業観光的なスポットの開発計画などの動きも出始めています。

 二つ目は観光面で、中部縦貫道や冠山トンネルの開通により、岐阜に最も近くなった福井県をはじめとする、北陸3県との交流の機会の増加に期待しています。

岐阜IC(仮称)の開通は企業立地や観光面で期待大

岐阜IC(仮称)の工事進捗状況(令和6年1月撮影)

松實 東海環状自動車道の岐阜IC(仮称)の開通に向けて期待する点は。

柴橋 特に期待しているのは観光面です。岐阜城に関しては、21年12月に「史跡岐阜城跡整備基本計画」を策定し、現在は発掘調査などを行っています。山上部も調査しながら木の一部を切らせていただき、城郭景観の復元整備を進めていきます。山麓でも庭園の復元整備や、ビジターセンターの整備なども計画しています。さらに25年3月には楽市楽座の城下町をイメージしたカフェや物販などの施設ができます。岐阜IC(仮称)ができれば、名神高速に直接岐阜市がつながることができます。関西圏との交流人口が増えることに期待しています。

 もう一つは学術面です。岐阜薬科大学はキャンパスの移転統合を進めており、28年度中に岐阜大学の隣接地に完全に移ることにより、岐阜IC(仮称)からすぐの場所に学術研究拠点が完成します。大学とも手を組み、ライフサイエンス分野という将来性の高い分野の企業を誘致し、IC周辺のまちづくりを進めていきたいと考えています。

 地域の骨格となる道路の整備が、地域の持続的な発展に重要な役割を果たすことに期待するとともに、道路のストック効果を最大限に生かすため、未来のまちづくりに向けてしっかりと投資をしていきたいです。

村瀬 東海環状自動車道の西回りルートの完成が近づくことに、大きな期待を持っています。すでに完成している東回りは、企業進出が相次ぎました。東回りは地形的に丘陵地帯が多く、またトヨタ自動車のある愛知県豊田市にも近いので、輸送機器メーカーや物流に関する拠点が多くできました。一方、西回りは水が豊富で平地が多い場所。東回りとは異なる産業として、柴橋市長がおっしゃったような医薬品、健康食品、電子部品関連分野の立地候補として大きな可能性があると思っています。

 また、岐阜IC(仮称)近くには岐阜大学医学部附属病院もあります。ICと大学病院がこれだけ近くにあるところは東海地方全体を見てみても、なかなかないのではないでしょうか。さらには岐阜薬科大学も移転して来ます。医学の面から考えても開通後がとても楽しみです。

国道21号の岐阜市内立体の成功へ一丸

松實 国道21号の岐阜市内立体も国土交通省の大きな事業です。立体化工事を進めていく中で工事中の交通渋滞の悪化が懸念されています。そこで、国土交通省や県内自治体、企業でつくる岐阜県道路交通渋滞対策推進協議会は昨年11月、時差出勤や在宅勤務を進めて通勤時間帯の渋滞を解消する「岐阜県TDMプロジェクト」を始めました。現状で60社程度が協力を申し出てくださっていて、まずは100社に伸ばすことを目標としていますのでぜひご理解いただけますようお願いします。

柴橋 岐阜市内立体化は岐阜市民の長年の悲願であり、着手していただいて感謝しています。国道21号は、東西を結ぶ重要な物流道路であり、立体化で渋滞だけでなく事故を減らすことにも寄与するものと期待しています。

 岐阜市としましても、今年1月からTDMに参加し時差出勤ができる職員には取り組んでもらっています。岐阜市が取り組むことで、市内の企業の皆さんの参考になるのではと考えています。一定の年数がかかる工事ですので、市民みんなで協力していきたいです。

村瀬 今までの渋滞の解決方法は、道路やバイパスを造るというものでしたが、時差出勤などのソフト面からアプローチしていくTDMは良い取り組みだと考えています。岐阜商工会議所でも会議や会報等で協力を呼び掛けています。運転手の残業規制で物流の停滞が予想される「2024年問題」についても、渋滞を減らすことは解決策の一助を担うでしょう。

松實 TDMへのご協力ありがとうございます。東海環状自動車道の全線開通や国道21号の岐阜市内立体の事業推進に向けて、今後ともよろしくお願いします。

左から、岐阜商工会議所会頭 村瀬幸雄氏、岐阜市長 柴橋正直氏、国土交通省 中部地方整備局 岐阜国道事務所長 松實崇博氏=岐阜市役所

岐阜県TDMプロジェクトに関する、名称の投票にご協力ください。

実施期間/令和6年3月10日(日)まで
最終候補(50音順)

  • ぎふしふと
  • ぎふみちスムーズ大作戦
  • 作ろうゆとり 防ごう渋滞 プロジェクト
  • みちみちすいすいプロジェクト
  • ゆっとりロードぎふ
  • らくらくぎふ通勤プロジェクト
3月10日まで投票を受付中!名称の投票はこちら

 

【お問い合わせ】

国土交通省 中部地方整備局 岐阜国道事務所
(事務局)岐阜新聞社営業局
TEL.058-264-1158(平日9:00~17:00)

[PR]PRESENTED BY 国土交通省中部地方整備局岐阜国道事務所