コロナ入院病棟のベッドメイキングをする看護師。今後の入院増が懸念される=岐阜市鹿島町、市民病院

 新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の出現で、岐阜県内の感染者数は連日過去最多を更新している。県内の医療機関では医療従事者ら職員の感染が出始めている。沖縄では先行して、人員不足による医療逼迫(ひっぱく)が起きた。脳卒中や心筋梗塞など冬場の救急患者が増加する時期とも重なる。感染のスピードが収まらない中、いかに診療機能を維持していけるか。県内の医療関係者は警戒感を強めている。

 一昨年の第1波から感染患者を受け入れてきた岐阜市民病院(同市鹿島町)。コロナ病床は36床あるが、20日の入院患者は5人。21日は7人(午後4時現在)にとどまる。今のところ県内の感染は30代以下が大半を占め、ほとんどが軽症だ。入院しているのは重症化リスクのある感染者だが、いずれも軽症という。

 それでも太田宗一郎院長は警戒感を強める。「感染者が増え続けて高齢者に感染が広がれば、一定の割合で重症者が出てくる」

 オミクロン株の感染力の強さが一般診療にも影響を及ぼし始めている。保育施設や学校で感染が広がり、濃厚接触者となり自宅待機になった子どもを見るために休まざるを得ない看護師ら職員が増えているからだ。

 一方で、寒さが増したことから脳卒中などの救急搬送は増えている。「一刻を争うケースもある。病院機能をいかに継続していけるか。専門スキルを持った医師や看護師は代えがきかない」と太田院長。

 岐阜圏域では今週に入り、複数の病院で職員の感染が相次いで確認されている。救急の受け入れなど診療機能に制限が掛かれば、連鎖して周辺の医療機関に影響が広がる。市民病院では1月に入り医療従事者2人の感染が確認されている。

 コロナ入院病棟の看護師長(51)は「第3波では高齢者が続々と重症化し、入院してすぐに亡くなる人もいた。第4波では若い人でも基礎疾患のある人があっという間に肺炎になっていった。人手が足りず、現場は殺気立っていた」と再来を危惧する。

 太田院長は「オミクロン株はこれまでのコロナのような味覚、嗅覚障害はなく、のどの痛みやせきだけでは、従来の風邪と見分けが付かない。無症状の人もいる。だが感染力は強い」と話す。医療逼迫に陥る状況を避けるために一人一人の対策が必要と訴える。