汚染区域のレッドゾーンへ食事の配膳に向かうフル装備の看護師=26日午後6時13分、岐阜市橋本町、朝日大病院(同病院提供)

 新型コロナウイルスの新規感染者が連日、最多を更新する中、岐阜県内病院のコロナ病床の使用率がじりじりと上がっている。7月上旬に5%台と底を打ったが、今月24日時点で60・8%に達し、なお上昇局面にある。感染者の7割が30代以下で軽症者が多いとされる第5波だが、今後の重症者の増加に備え、医療スタッフは神経をとがらせている。

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 今月24日、岐阜市の朝日大病院を取材した。同病院は昨春、いち早く1フロアを完全隔離のコロナ病床へと改装した。非汚染のグリーンゾーンにあるナースステーションから、汚染区域のレッドゾーンの病床へ、医療用ガウン、気密性の高い専用マスク、フェースガードなど、フル装備で作業をする看護師の姿や、壁に張られた、赤い文字で警告を呼び掛けるマグネットシールがひときわ目立つ。「流行から1年半がたち、ウイルスに対する防護についてはみんな板についてきた。でも、まだまだ緊張します」。日本看護協会認定の感染管理認定看護師、尾崎明人さん(49)は、難しい表情を浮かべる。

◆空いては埋まる...繰り返し

 同病院のコロナ病床数は、岐阜地域の民間病院では格段に多い26床。県内の感染傾向に沿うように7月上旬には一時的にゼロだったが、今月24日時点で21床が埋まった。今後も入退院の予定者がそれぞれあり、病床使用数は高止まりの予想という。ケア全般を担う看護師の仕事量が増え、しわ寄せが顕著といい、レッドゾーンに5時間入りっ放しというケースもあるという。コロナ病床の責任者の一人である副病院長の江原英俊医師(60)は「昨年から何度目か分からない、病床が空いては埋まるの繰り返し、いわゆる自転車操業のような状態だ。いつ終わるか分からないコロナ禍に医師、看護師らスタッフも疲れている」と話す。

◆高齢者ワクチン接種完了、多くは軽症

 医療従事者を追い詰めてきたコロナ治療だが、明るい兆しもある。高齢者のワクチン接種がおおむね完了したことだ。接種が始まっていなかった昨年末の第3波、今春の第4波は高齢者が重症化するケースが目立ったが、現在は高齢者のほとんどが軽症という。重症化していたのは体力がもともとなかったり、認知症や基礎疾患があったりする人で、コロナの治療以外にケアが必要なため、精神的な負担が大きかったという。「第4波までは入院の初めから重症化が予想される高齢者が必ずいたが、今回はほぼいない」と、江原医師は違いを語る。ただ「感染者がこれほど多いと、ワクチンを接種済みでも重症化する人が出てきかねない。気は抜けない」と話した。