「谷汲あられ」の愛称で知られ、長年幅広い支持を集めるだるま堂製菓(岐阜県本巣市下真桑)のあられ。生産拠点が谷汲山華厳寺に近いことから谷汲土産として人気で、コロナ禍前には年間約5万人が直売所で購入していたという。都市部の高級スーパーで取り扱われるなど販路も広い。あられを製造する谷汲工場を見学し、愛され続ける秘密に迫った。
氏名や役職・部署名で検索!「岐阜の経済・人事情報 ポータル」あられは蒸し上がったもち米の状態から、焼き上がるまでの工程で水分量が約35%も減るため、ミネラルやマンガンなどを含む蒸発残留物の数値が大切になる。そのため、工場進出に当たっては深さ約100メートルの井戸を堀り、水質を調べて、適度に数値があることを確認し、谷汲に決めたという。
もち米は創業以来、風味豊かな国産にこだわっており、飛騨地域産「たかやまもち」、秋田県産「きぬのはだ」、北海道産「風の子もち」の3種を使用。生地の素材によって蒸練機とせいろを使い分けて低圧で蒸す。
こだわりの地下水で蒸したもち米は、餅つき機で練り上げ、あられの形状に合わせた型に入れて、3日間冷蔵保存する。4日目になると生地をカットし、循環乾燥機で徐々に水分量を減らしていく。
次に待つのが、あられを焼く工程。約10メートルのレーン状の焼成釜の中を、前後左右に揺れる焼き網の上に乗った粒状のあられが進んでいく。生地の水分を均一にするために弱火でスタートし、強火、弱火、強火と4段階で火入れをする。出来たての表面温度は180度にも達する。火の入れ方は種類で異なり、別の焼成釜では、板状のあられが網の上で整然と並んでレーンを進んでいた。奥田社長は「商品の特性に応じた丁寧な作業が肝」と語る。
焼きの工程の後、味付けやトッピングなどの工程に枝分かれしていく。同社のあられは種類が多く、もち米本来の香りが楽しめるプレーンタイプから大豆やエビ、青のり、ごまが入ったものまである。さらにチーズやアーモンド、のり巻きなどトッピング類と、味付けも定番のたまりじょうゆ、サラダ味から、変わり種のチョコレートまで多種多様だ。
1990年ごろから種類が増え始め、現在では素材やトッピングの組み合わせを工夫した新作を年間50種類以上発売しているという。奥田社長は「谷汲発の味を長く楽しんでもらえるように、これからも、おいしさを探求していく」と力を込める。
【工場概要】1928年、岐阜市内で創業。2002年に谷汲工場を竣工(しゅんこう)し、04年に工場隣に直売所をオープン。生産機能は谷汲工場に集約しており、真正工場(本社)と安八工場は包装・箱詰めを担う。谷汲工場の延べ床面積は約1980平方メートル。一日の最大生産量はあられのみの場合、約3トン。従業員数は約200人。















