移動販売車で食品を販売する高橋実太郎さん=岐阜市市橋、スーパーマーケットバロー市橋店

 高齢化が進む中、機動的な移動販売に注目が集まっている。スーパーマーケットのバローと提携し、岐阜県を含む11府県で移動スーパーを手がける「はじ丸」(三重県熊野市)は、移動販売車の稼働台数を今年中に30台から50台に増やし、県内でも新たに4台を走らせる計画。全国展開する「とくし丸」(徳島市)も近年、年100台のペースで伸ばし、県内を含め現在1179台(6日現在)が稼働する。食料品店の少ない山間部だけでなく、都市部で高齢者施設の需要を取り込む。

 今年3月、岐阜市ではじ丸の車両が県内で初めて稼働した。はじ丸とフランチャイズ契約を結ぶ高橋実太郎さん(59)が、バロー市橋店(同市市橋)から生鮮品や総菜、パン、菓子などを仕入れ、軽トラックに積んで走らせる。約400品目を取り扱い、「コンビニとスーパーの間の価格で販売している」(高橋さん)。月間180万円の売り上げ目標を掲げている。

 高橋さんの車両は、午前10時ごろに出発し、高齢者施設を中心に回り、食料品店のない地域の個人宅や広場などを訪ね、午後5時ごろに営業を終える。高橋さんは「商品を見たり、選んだりと、皆さんが本当に楽しそうな表情をする」と満足げだ。販売先は23施設あり、別に5施設にも営業をかけているという。

 全国で台数を伸ばすとくし丸は、県内で19台(6日現在)を稼働。全国141社のスーパーと連携し、販売は個人事業主の運転手に任せる仕組みを構築する。

 移動販売を巡っては、全国で参入が加速している。コンビニでは、セブン-イレブン・ジャパンとローソンが展開。ローソンは2013年から本格的に始め、高齢者施設や食料品店がなく買い物が困難な場所でサービスを提供する。また、ドラッグストア大手のウエルシアホールディングスも事業に乗り出している。

 農林水産省が23年度に全国の1741市町村を対象を実施した調査によると、民間企業による「移動販売車の導入・運営」が実施されているとの回答は75・4%を占め、5年前の18年度から14・4ポイント増えた。