低反発バット導入による高校野球改革元年の岐阜大会を制したのは、多くの学校が目指した「低く強い打球」で猛打を振るった岐阜城北だった。高い戦力を誇りながらあと一歩届かず敗れはしたが、県岐阜商はさらにそのワンランク上の対策「野手の頭を越す打球」を実現し、大きな注目を集めた。

低反発バット時代の打撃で席巻
県岐阜商の鍛治舎巧監督の低反発バット対策は迅速だった。
より走者を本塁に近づけることを主眼に走者の後ろへ打つため左右の打者とも右方向へのヒット、進塁打を徹底する右打ちからはじめ、手首を返しては球が飛ばないことから、返さずに押し込んでインパクトゾーンを長くすることを徹底。
木製バットの積極使用などを経て、最後は鍛治舎野球1丁目1番地の「スイングスピードを上げること」に原点回帰。
球のしっかりとした見極めに裏打ちされたストレート、変化球かかわらず、ファーストストライクから見逃さずフルスイングする打線はコンディショングの成功もあり、試合を重ねるたびに外野手の頭を越す打球が増え、猛打で岐阜大会を席巻した。
長打減少、本塁打は15本 盗塁や失策に変化なし
低反発バットになった今大会の県全体の傾向を昨夏と数字で比較してみると、顕著なのは言うまでもなく長打の減少。
本塁打は昨年25本だったが、10本減って15本になった。...