名門101年目の新たなスタートは、初回の長打攻勢で幕が上がった。県岐阜商の秋季岐阜地区大会初戦の2回戦岐阜北戦は15安打10―2の八回コールドでの圧勝。8月末での勇退を表明した県岐阜商鍛治舎巧監督が「大丈夫と確信を持ち、早期退任を決意した」と太鼓判を押す高い打撃力がいかんなく、さく裂した。

県岐阜商×岐阜北=2回裏県岐阜商1死三塁、中前適時打を放つ宮川鉄平=大野レインボー

◇息づく鍛治舎イズム いきなり全開の打撃力発揮

 「思った以上」と鍛治舎監督も舌を巻く、新チームの一番の売りは発足時にかかわらず破壊力抜群の打撃力。

 最初の練習試合で豊橋商(愛知)を19安打14―1で粉砕すると、今夏も2本柱で投げていた星稜(石川)のエース道本想から16安打11点。都市大塩尻(長野)には6―1、9―0、敦賀気比(福井)に5―6、10―3、鍛治舎監督最後の采配となった高岡第一(富山)戦は25安打20点と、相手にとってまさにお手上げ状態の驚異の打棒で、初の公式戦を迎えた。

 岐阜北戦でも初回先頭の駒瀬陽尊がいきなり中越えエンタイトル二塁打、3番宮川鉄平の左中間二塁打で先制すると、5番坂口路歩が右越え2点二塁打と相手の戦意を喪失させる長打攻勢。さらに先発の正捕手兼投手の1年柴田蒼亮も右前適時打し、4点を先制。

 二回にも宮川が2打席連続の適時打を放ち、ゲームを完全に支配した。

県岐阜商×岐阜北=1回裏県岐阜商、1死一、二塁、2点適時二塁打を放つ坂口路歩=大野レインボー

 パワーとスピードで相手を凌駕(りょうが)する圧倒的な打撃力は鍛治舎野球の根幹だが、新チームでこれほど成果が出ている年はなかなかなかった。鍛治舎監督は...