第32回岐阜県私立高校親善野球大会は9、10の両日、カヤバスタジアムなどで行われ、2年連続の同カードとなった決勝で中京が帝京大可児を9―5で下し、連覇を遂げた。3位には岐阜第一と美濃加茂が入った。
◆唯一の2年東海メンバーの小原、投打の核へ
「来夏に向け、もう一度メンバーをシャッフルする」。秋季東海大会準々決勝で屈した中京・藤本貴久監督が私立大会で取った戦術は、東海大会2年生メンバーをことごとくベンチから外し、ほぼ1年生という大幅なメンバー変更だった。その布陣ながら安定した戦いぶりで私立大会を連覇。藤本監督は「課題も多く出たが、1年生がしっかり守れ、収穫も多かった」と総括した。
全体の底上げとともに光ったのが、東海出場の2年生野手で唯一ベンチ入りした主砲小原輝也と、投打走に秀でた1年生の逸材右腕鈴木悠悟の核としての確立だ。
小原は「柱は据えておかないと」と藤本監督が唯一、ベンチ入りさせた期待に見事、応えた。
打っては決勝で1―0からの流れを決める三回の2点三塁打を含む3打席連続安打。投げては準々決勝、決勝で1年ぶりに投手復帰し、チームの核となるポジションを確固たるものにした。
投手だった小原は今夏から野手転向し、新チームで4番を託され、東海大会初戦の名古屋たちばな(愛知3位)戦で、試合を決める値千金の走者一掃の3点二塁打を放った。敗れたが準々決勝の常葉大菊川(静岡1位)戦でも先制打を放つなど大きくブレーク。「完全に一皮むけた」と藤本監督もうならせた。...