【カトマンズ共同】インド政府は23日、パキスタンとの国境を閉鎖した。パキスタン人のインド入国を制限すると宣言した。両国の係争地カシミール地方のうち、インド政府が直轄地とするジャム・カシミールで武装集団に観光客ら26人が殺害されたテロにパキスタンが関与したと主張し、報復措置に出た。
テロを巡っては、パキスタンを拠点とするイスラム過激派「ラシュカレトイバ」系の組織が犯行声明を出した。パキスタン政府は関与を否定している。カシミール地方では散発的にテロが起き、緊張状態が続いていた両国の関係は悪化が決定的になった。
インド政府は、両国を流れるインダス川水系の資源管理を規定する条約の停止も一方的に表明した。ミスリ外務次官は記者会見で「条約はパキスタンが国境を越えたテロの支援をやめるまで停止する」と述べた。
インド政府は、在パキスタンのインド高等弁務官事務所(大使館に相当)の態勢を55人から30人に減らすことや、在インドのパキスタン高等弁務官事務所の軍関係者を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定した。