東京都立墨田産院(閉院)で1958年の出生直後、他の新生児と取り違えられた江蔵智さん(67)が24日、「生みの親」の調査を命じた東京地裁判決を受けて都の担当者と面会した。都に控訴断念を求め「取り違えが認められてから実の父、母を想像し、育ての母は実の子に会いたいと思ってきた。一日も早く調査して願いをかなえていただきたい」と訴えた。
面会は冒頭のみ公開。江蔵さんの代理人弁護士によると、都側は「(取り違えを)申し訳なく思う。判決内容を精査し、連絡するとしか申し上げられない」と回答した。江蔵さんは都に提出した書面で、都が控訴しない場合は自身も控訴しない意向を示した。