プロペラが折れた風力発電の風車=2日正午ごろ、秋田市

 2日午前10時15分ごろ、秋田市新屋町の新屋海浜公園で「風力発電のプロペラが落ちている」と119番があった。秋田県警などによると、隣接する土地に立つ風車から羽根が公園内に落下し、近くで同市新屋元町の無職宍戸敬さん(81)が頭を負傷、意識不明の状態で見つかり、救急搬送先で死亡。風車は3枚の羽根のうち1枚が付け根近くで折れ、回転せずに止まっていた。

 事故当時、秋田県全域に強風注意報が出ていた。県警は、羽根が宍戸さんに接触した可能性も含めて死亡との関係を捜査している。

 風車を設置する売電事業会社のさくら風力(東京)によると、風車はドイツのエネルコン社製で、支柱の高さは80メートル近くあり、1枚の羽根の長さは約40メートル。2009年に運転を開始し、10年に落雷で羽根1枚が折れて落下する事故があり、羽根3枚全てを交換したという。

 秋田県によると、今年3月時点で、陸上と洋上で計340基が稼働している。23年8月、別の事業者が管理する男鹿市の発電所で風車の羽根の先端が折れて落下する事故があった。