【ワシントン共同】トランプ米政権は2日、中国からの小口の輸入品に対する関税の免除措置を廃止した。大統領令に基づくもので、この仕組みの恩恵を受けて米国向けの販売を伸ばしてきた中国発のインターネット通販「SHEIN(シーイン)」や「Temu(テム)」には打撃となる。米国の消費者にとっても、商品の値上がりにつながる可能性がある。
米国はこれまで、800ドル(約11万6千円)以下の少額の荷物には関税を免除してきた。トランプ政権は、中国の事業者がこれを悪用し、違法なものを隠して輸出していると指摘していた。廃止により、米国で社会問題化している合成麻薬「フェンタニル」の流入阻止を狙う。
このほか、中国からの安価な商品が米国に大量に流入し、国内の事業者が苦境に置かれる要因になっているとして、米議員らが問題視していた。
トランプ政権は2月、中国への10%の追加関税発動に合わせて免除措置を適用しないことを決めたものの、通関現場の混乱を受け、関税徴収のシステムが整備されるまで先延ばししていた。