浜松市で3月、自転車の小学生の列に軽トラックが突っ込み、小学2年石川琴陽さん(8)が死亡し3人が負傷した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で送検され、処分保留で釈放された運転手の男性(78)が5日、共同通信の取材に応じた。直前に胸が痛み前が見えなくなり、停止後に事故に気付いたという。以前も同様の症状が原因で事故を起こしていたが「家族には言わず運転を続けた。車を取られるのが嫌だった」と話した。
男性は死傷事故の半年前から、胸の痛みと目まいの症状を自覚していた。数週間前にも運転中に同様の症状が起き「気付いたら軽度の物損事故を起こしていた」と話す。自宅周辺はバスなど公共交通が利用しにくい環境で「車がないと不便を感じる」と指摘する。「運転したら駄目だと怒られる」と思い、症状や物損事故を家族に黙っていたという。
死傷事故時は小学生の列は見えなかったとし、症状が出て「記憶がない」と話す。事故後複数人が車の下の小学生を救おうとしていたが「できなかった」と振り返った。