天王山の連勝目前でまさかの逆転負け、8勝2敗同士で激熱V争いは最終週へ―。東海地区大学野球春季岐阜リーグ第6週は3、4の両日、夜明け前スタジアムで行われ、藤田明宏監督、工藤昌義コーチの高校野球名将タッグの朝日大が岐阜聖徳大との7勝1敗同士の首位決戦に挑んだ。初戦の1回戦は今季躍進の立役者エース川渕恒輝の力投で3―2の大接戦の末、先勝したが、2回戦は5点のリードを終盤守れず、延長十一回タイブレークの末、6―10で敗れた。藤田監督は「悔しい1敗だが、これが野球。最終週に全力で挑む」と就任後初のリーグ制覇、同大30年ぶり春の神宮に向け、気合を入れ直した。最終週は11、12の両日、ぎふしん長良川球場で、朝日大は5勝5敗で4位タイの岐阜協立大、岐阜聖徳大は7勝3敗の3位中部学院大と対戦する。まれにみる激戦の第6週の天王山2試合をリポートする。(岐阜新聞デジタル独自記事です)
◆〝秘密兵器〟と〝二つの教え〟に支えられた大黒柱の力投で朝日大が先勝
1回戦を制した最大の功労者の朝日大のエース川渕だが、決して万全ではなかった。「ストレートも得意のカットボールも浮き気味だった」と振り返るように初回先頭を四球出塁させ、送られて1死二塁、3番佐藤琉惺に中前打を浴び、先制を許した。

だが、エースを支えたのは話題の〝魚雷バット〟という新たな武器をひっさげて3打点を挙げた7番広瀬央河(大垣養老高出)と、川渕の胸に刻まれた二つの教えだった。...