追跡してきたパトカーを盗み、運転して逃げたとして、岐阜県警養老署は29日、窃盗の疑いで大垣市上石津町上鍛冶屋、自称派遣社員の男(52)を逮捕した。容疑者は酒気を帯びた状態でパトカーを運転し、約10分間、町内を走行していた。

 逮捕容疑は29日午前8時30分ごろ、大垣市上石津町で養老署のパトカー1台を盗んだ疑い。

 署によると、29日早朝、容疑者の妹から「兄が家の中で暴れている」と110番があった。署員2人がパトカーで駆け付けたが、容疑者は徒歩で逃走した。署員2人がパトカーで町内を捜したところ、午前8時20分ごろ、山中に入っていく姿を目撃。パトカーを降りて追いかけたが見失い、その隙に停車中のパトカーを盗まれた。

 応援に向かった別の署員が容疑者を発見し、午前8時40分ごろ、盗まれた地点から約2キロ離れた場所で、パトカーから降りて逃げようとしたところを緊急逮捕した。呼気からはアルコールが検出されており、「逃げるために盗んだ」と容疑を認めている。

 盗まれたパトカーは当時、無施錠でエンジンがかかったままだった。車内から物品などの盗難は確認されていない。署の荒木明弘次長兼警務課長は「車両を離れる際に無施錠だったのが要因の一つ。詳細な検証を進め、再発防止に努める」と話した。