【ベルリン共同】広島県原水爆被害者団体協議会(県被団協)の佐久間邦彦理事長(80)が22日、ドイツ・ベルリンで開かれた日本被団協のノーベル平和賞受賞の記念集会で講演した。ロシアによるウクライナ侵攻などで核軍縮の機運が後退している状況に危機感を表明。「核共有や核抑止で平和と安全は守れない。廃絶されるべきだ」と訴えた。
佐久間さんは、生後9カ月で爆心地から3キロの自宅で被爆し、約10年後に放射線の影響とみられる病気を患ったという。講演で「80年前の出来事は過去ではない。原爆は絶対悪だ」と強調し、核廃絶実現のため声を上げ続けようと呼びかけた。
ロシアのプーチン大統領が核兵器使用を示唆して威嚇を繰り返していることなどを念頭に「核のタブーが壊されようとする瀬戸際にいる」と懸念も示した。
ベルリンに本部を置く平和団体「国際平和ビューロー」(IPB)などの要請を受け、原水爆禁止日本協議会(原水協)が派遣する被爆者遊説団の一員として訪問した。