特定生殖補助医療法案のポイントと主な論点

 第三者提供の精子や卵子を使った不妊治療「提供型特定生殖補助医療」を規定する法案は、今国会で成立せず廃案となる見込みとなった。生まれた子の「出自を知る権利」の担保を掲げ自民、公明など4党が参院に提出したものの、対象が法律婚の夫婦に限定されることなどに批判が強く、立憲民主党内は賛否が分かれる事態に。最終的に野党第1党として反対の立場を固めたことで、国会終盤の限られた期日では、成立のめどが立たなくなった。

 法案では、夫婦や子、提供者の情報を国の機関で100年間保存し、子が18歳になった後に請求すれば提供者の身長、血液型などを開示する。それ以外の、個人の特定につながる内容は提供者の同意が必要。治療対象も、夫の精子や妻の卵子で妊娠できない、法律婚の夫婦に限定される。

 法案は2月に自民、公明、日本維新の会、国民民主の4党が提出。もともと立民も検討に参加しており、法案に賛同する議員も少なくなかった。

 だが立民は5月下旬、法律婚への限定は「憲法違反の疑いがある」として正式に審議入りを認めない方針を決めた。