松江市の黄泉比良坂で、故人への思いをしたためた手紙を火にくべる人たち=15日午前

 古事記で「黄泉への入り口」と描かれた松江市東出雲町揖屋の黄泉比良坂で15日、故人への思いをしたためた「天国への手紙」約8500通が奉納された。全国各地から集まった約60人がそれぞれの気持ちを胸に手紙を火にくべ、くゆる煙に亡き人への思いを乗せた。

 毎年6月に行われ今年9回目。この1年間、現地に設けられた専用ポストに投函されたり、郵送されてきたりした手紙も奉納された。

 栃木県から訪れた加藤道子さん(60)は元夫との思い出や感謝を手紙につづった。

 黄泉比良坂は、イザナギが亡妻であるイザナミを追って黄泉の国を訪ね、その変わり果てた姿に驚き逃げ出した際に巨石で現世との境をふさいだ伝説の地。