マルセル・ジュノー博士の顕彰碑前で開かれた贈呈式後、記念撮影する松井一実広島市長(右から2人目)ら=15日午前、広島市中区

 広島市は15日、原爆投下直後の広島に医薬品を届け、被爆者救援に尽力したスイス人医師のマルセル・ジュノー博士(1904〜61年)に特別名誉市民の称号を贈った。原爆資料館近くの顕彰碑前で贈呈式が開かれ、松井一実市長は「博士の精神が、若い世代をはじめ多くの人に継承されることを願う」と述べた。

 ジュノーは45年8月、赤十字国際委員会(ICRC)の駐日代表として来日。9月に15トンの医薬品を持って広島入りし、被害状況の調査や被爆者の治療に当たった。翌46年の帰国後、ICRC本部に原爆の悲惨さを伝え「こうしたことは二度と許されてはならない」と報告した。