香川県まんのう町の満濃池で行われた「ゆる抜き」=15日午後

 日本最大級のため池、香川県まんのう町の満濃池で15日、水門を開放する初夏の風物詩「ゆる抜き」が行われた。正午ごろ、関係者がハンドルを回すと大きな音を立てて水が勢いよく水路に流れ出た。讃岐平野中部の水田を潤し、本格的な田植えシーズンを迎える。

 雨が少ない影響で例年よりも貯水量が少なく、満濃池土地改良区の黒木保理事長は「降水量の少ない香川県では、ため池が必要。梅雨にもう少し雨が降るよう期待したい」と話した。

 「ゆる」は大正時代の初めまで使われていた木製の栓。栓を揺らして引き抜いたことが由来とする説がある。当時は、男性たちが力を合わせて抜いていた。