福岡大空襲の体験などを語り合う会で話す円応寺の三木和信住職=15日午後、福岡市

 太平洋戦争末期の1945年6月、900人以上が亡くなった福岡大空襲から80年となるのを前に、福岡市の円応寺で慰霊法要が15日営まれた。読経した三木和信住職(86)は6歳で経験した空襲を「地獄絵のような光景にぼうぜんとした」と涙ながらに振り返った。

 市中心部にある寺の周辺は火の海となり、三木さんも焼け焦げた遺体を数多く見た。自身の自叙伝の一部を読み、当時の記憶を伝えた。

 この日、空襲体験者や遺族ら約50人が参列し手を合わせた。13歳で被災した入江住子さん(93)は法要後の語り合う会で「焼夷弾が突き刺すように落ちてきて、真昼みたいに明るくなる。身動きがとれず、怖かった」と振り返った。