【シドニー共同】地球温暖化による海面上昇で国土が将来水没する危機にある南太平洋ツバルで人口の42%に当たる約4千人がオーストラリアへの特別移住ビザに応募したことが6月30日分かった。関係者が共同通信の取材に明らかにした。抽選で年間最大280人にビザが発給される。このペースが毎年続けば、単純計算で約35年後に住民がいなくなることになる。
ツバルでは国外への出稼ぎや留学が盛んだ。今回の新たな移住プログラムでは、オーストラリア人と同等の就学、就労、社会保障の機会を与えられるため、応募が殺到したとみられる。
移住プログラムは、2国間で昨年8月に発効した条約「ファレピリ連合」に基づくものだ。
応募は今年6月16日に開始。関係者によると、ツバルの国連推定人口9600人のうち、1124世帯の4052人が27日までにビザに応募した。応募は7月18日に締め切られ、抽選で選ばれた人が正式に申請できる。
米航空宇宙局(NASA)の調査によれば、ツバルは50年までに国土の大半が満潮時に水面を下回ると推定されている。