札幌市の札幌こども専門学校で、幼稚園教諭の2種免許取得に関する試験の際に模範解答の持ち込みが認められていた問題で、内部告発が原因で懲戒解雇を言い渡された男性教員(45)が30日までに取材に応じた。「学校の自浄作用を期待したが、改善が見られず踏み切った」と、告発に至った経緯を明かした。
男性によると、教材の一つで、模範解答が記載された「学習の手引」の持ち込みを学校が許可したのは2020年度から。全ての試験で解答を書き写すことができ「先輩から『丸写しだから楽勝だよ』と教えられ、勉強しなくなっていく。学生のレベルが落ちたと感じた」と振り返る。
卒業生の就職先から「仕事ができない」と苦情が入ることも。22年6月、運営法人理事長に書面で改善を求めると、書き写しできる問題の比率は下がったが廃止はされず、行政にも通報したが、事態は変わらなかった。
「現場に出てはいけないレベルの学生に免許を与えるのは問題だ」。危機感から25年、報道機関に告発した結果、5月に解雇を言い渡された。