小島智信被告(フィリピン入国管理局提供)

 フィリピンを拠点に「ルフィ」を名乗り広域強盗を指示したとされる特殊詐欺グループの幹部で、強盗致傷ほう助罪などに問われた小島智信被告(47)は1日、東京地裁の裁判員裁判初公判で起訴内容を認めた。警視庁や4府県警が重点捜査した8事件で逮捕、起訴された幹部4人のうち、裁判が始まるのは初めて。

 起訴内容によると、被告は2022年10〜12月に東京都稲城市や山口県岩国市などで起きた強盗致傷事件や強盗未遂事件で、フィリピンで、グループ幹部の藤田聖也被告(41)に強盗の実行役を紹介したとされる。

 警視庁によると、小島被告は「闇バイト」の実行役を集める勧誘役だったとみられる。

 他の幹部2人はルフィを名乗ったとされる今村磨人(41)と渡辺優樹(41)の両被告。藤田被告を含む3人は、東京都狛江市の住宅で女性が死亡した事件の強盗致死罪などでも起訴されている。

 幹部4人は、拠点だったフィリピンから23年2月に強制送還された。事件時は収容先の入管施設から通信アプリ「テレグラム」で指示していたとみられる。