政府は1日、サイバー施策を総括する「サイバーセキュリティ戦略本部」会合を官邸で開いた。戦略本部を改編し、トップを官房長官から首相に格上げした。石破茂首相は「サイバー空間を巡る脅威は、国民の安全・安心、公正な経済活動、国家安全保障に深刻な影響を及ぼす」と危機感を表明。「サイバーセキュリティ戦略」を年内に策定する方針を確認した。新たな事務局組織「国家サイバー統括室」も1日付で設置した。
戦略本部会合には平将明サイバー安全保障担当相や坂井学国家公安委員長らが出席した。首相は、対策を徹底するよう指示した。
本部の改編は、サイバー攻撃に先手を打って被害を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」を導入する関連法に基づく。サイバー攻撃が高度化する中、2027年の能動的サイバー防御の全面導入に向け、体制整備を本格化させる。
会合では(1)サイバー脅威の抑止・防止(2)サイバーセキュリティーの向上(3)人材・技術の基盤形成―を柱とした施策の方向性を申し合わせた。