勾留中の男性が着ていた「私は取調べを拒否します」と記されたTシャツを手にする松本亜土弁護士=1日午前、大阪市北区

 「私は取調べを拒否します」と記されたTシャツを留置場で没収されたのは違法だとして、保護責任者遺棄致死の疑いで大阪府警に逮捕、起訴された50代男性と弁護人が1日、府に計385万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴した。

 訴状によると、府警羽曳野署で勾留中の男性から状況を聞いた弁護人が黙秘を勧め、昨年12月10日にTシャツを差し入れた。翌日、男性がシャツの上に上着を着た状態で居室にいると、留置管理課職員が「メッセージ性に問題がある」「危険物に当たる可能性がある」などと言い、シャツを脱がせて没収した。

 提訴後に記者会見した原告の松本亜土弁護士は「警察の恣意的な運用が見直されるよう望む」と訴えた。