内閣府が7日発表した5月の景気動向指数で、基調判断を景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」に引き下げた。悪化の表現は2020年7月以来、4年10カ月ぶり。主に米国向けの輸出の減少などが響いた。現状を示す「一致指数」(2020年=100、速報値)は前月より0・1ポイント低い115・9となり、2カ月ぶりに下降した。
一致指数を項目別に見ると「輸出数量指数」が低下。内閣府の担当者は「米関税政策の影響の見極めは現時点では難しい」としている。このほか「有効求人倍率」も下落した。
一方、自動車部品や完成車の出荷は堅調だった。内閣府は、3月にトヨタ自動車系の部品メーカー、中央発条で発生した爆発事故の影響で一時出荷が滞ったことに絡み、事故の収束後に生産を挽回する動きが続いたとみている。
数カ月先の景気を表す「先行指数」は1・1ポイント上昇の105・3となり、4カ月ぶりに上がった。