大阪市阿倍野区の「正円寺」

 吉田兼好にゆかりがあるとされる「正円寺」(大阪市阿倍野区)に対して、大阪地裁が7日までに破産手続きの開始決定を出した。決定は6月18日付。元住職の辻見覚彦受刑者(58)が寺の資金を詐取したとして詐欺などの罪に問われ、大阪地裁で昨年10月に懲役2年6月の判決を言い渡され、その後確定していた。

 破産手続きを申し立てた債権者の男性側によると、2020年5月、男性が知人を通じて辻見氏らから寺の運営や債務整理などの協力を相談され、約11億円の債権を所有した。その後辻見氏が虚偽の抵当権の登記や、公正証書の偽造による小切手の詐取疑いで逮捕されたことを受け、昨年7月に破産手続きを申し立てた。