防衛省は10日、東シナ海上空で9、10日にそれぞれ、中国軍機が航空自衛隊機に接近する事案があったと発表した。6月にも太平洋上で中国軍機による自衛隊機への接近事案が起きている。偶発的な衝突を誘発する可能性がある「特異な接近」だとして、船越健裕外務事務次官は10日、中国の呉江浩駐日大使に深刻な懸念を表明し、再発防止を厳重に求めた。
防衛省によると、東シナ海の公海上空で9日午前10時50分ごろから約15分間、10日午前10時ごろから約10分間、中国軍のJH7戦闘爆撃機1機が、空自のYS11EB電子測定機1機に接近した。
両日とも、空自機の後方から右斜め下に近づき、追い越した後に旋回して再接近する行為を繰り返した。最も近い時で、9日は水平距離約30メートル、垂直距離約60メートル、10日は水平約60メートル、垂直約30メートルだった。いずれも直線距離では約70メートルになる。
空自機は入間基地(埼玉県)所属で、警戒監視や情報収集の活動をしていた。防衛省は発生場所の詳細を明らかにしていない。