石川県の馳浩知事は10日の記者会見で「運のいいことに能登で地震があった」と発言した自民党の鶴保庸介参院予算委員長から9日に謝罪の電話があったと明らかにした。鶴保氏は「被災者に大変申し訳ない。至らない発言を通じて不快な思いをさせた」と述べたという。

 鶴保氏の発言を巡り、立憲民主党の野田佳彦代表は石破茂首相の責任をただす意向を表明した。共産党の小池晃書記局長は議員辞職すべきだとの認識を示した。

 馳氏は、鶴保氏が必要性を訴える「2地域居住」について、被災者がやむを得ず二つの地域に分かれて暮らしている石川県内の実態を説明。鶴保氏に対し、こうした被災者への支援を求めた。鶴保氏は「党としても、政府としても取り組めるように頑張る」と応じた。

 馳氏は会見で、発言について改めて「論外だ」と非難。「被災地の状況を体感していないのではないか」として、鶴保氏に現地を訪れ、被災者や自治体関係者らと意見交換するよう促した。