中国の習近平国家主席の側近として知られる何立峰副首相が10日夜、来日した。関係筋が明らかにした。11日に開かれる大阪・関西万博の中国ナショナルデー行事に参加する。また自民党の森山裕幹事長と大阪府内で11日にも会談し、中国が規制する日本産牛肉の輸入再開などについて協議する。

 何氏は経済政策を担当し、トランプ米政権との関税協議の中国側代表も務めている。中国は万博行事を通じて友好ムードを高め、日中関係の安定化につなげたい考えだ。

 中国は、日本で2001年に牛海綿状脳症(BSE)が発生したのを受けて日本産牛肉の輸入を規制している。関係者によると、日中両政府は日本からの輸出の前提条件となる「動物衛生検疫協定」の早期発効に向けて調整している。

 森山氏は10日、鹿児島県曽於市での講演で牛肉輸入再開を要請すると明らかにし「交渉ごとではあるが、ここで一つの方向を示すことができれば、畜産農家の皆さんも安心されるのではないか」と述べた。森山氏は日中友好議員連盟会長。